オフィスデザインにおけるカラーの役割①
オフィスの空間デザインにおいて、カラーは重要な要素です。
内装や家具の配色は、単なる見た目の演出にとどまらず、業務効率やコミュニケーションの活性化にも影響します。そのため、目的に応じた適切な色選びが欠かせません。
今回は、オフィスカラーの歴史と、色が空間に与える印象についてご紹介します。

オフィスカラーの歴史
日本におけるオフィスワークの本格的な普及は、高度経済成長期にあたる1960年代頃から始まりました。
当時は島型レイアウトを基本としたデスク配置が主流で、家具やカラーも画一的なものが中心でした。
その後、働き方や働く環境の変化とともに、空間のデザインや色の使い方は大きく進化していきます。
1960年代
スチール家具が普及し、「進駐軍グレー」と呼ばれる、やや緑みを帯びたグレーが浸透しました。
文具系もダークな無彩色が主流でしたが、次第に赤やオレンジ、ブルーといった派手な原色が使われ始めました。

1980年代
バブル期とされる1980年代には、コンピュータやFAXなどのOA機械が急速に普及しました。
動作音や発熱への配慮から、集中しやすい環境を整えるためパーティションを使って空間を区切る手法の導入が進み、レイアウトの多様化とともにインテリアへの関心も高まりました。
家具の色は、それまでのグレーから、明るいアイボリー系へと変化しました。

2000年代
ビジネスのスピード化やユニバーサルデザインの導入などにより、明快で活気ある色彩が浸透しました。
また、企業ブランディングの一環として、コーポレートカラーを受付エリア(エントランス)などに取り入れる動きも見られるようになりました。
さらに、エコへの関心も高まり、アルミなどリサイクルしやすい素材の活用も進みました。

現在
現在では、個人のライフスタイルに合わせた多様な働き方が広がっています。
働く人の能力を最大限に発揮できるよう、エリアごとの機能に基づいた空間デザインと、カラー活用が進んでいます。

色が空間に与える印象
これまでのオフィスは、「効率よく業務を行うこと」が第一と考えられていましたが、現在では「リラックスしながら作業する」「ブースにこもって集中する」など、働き方が多様化しています。
そのため、それらを後押しする色彩心理学を活かした空間デザインやカラー活用が注目されています。
ここでは、5つの代表的なカラーとその心理的効果について紹介します。
赤色
「情熱」や「エネルギー」を感じさせ、モチベーションを高める色です。短時間の集中作業やミーティングスペースのアクセントカラーに効果的です。

緑色
自然を感じさせ、安心感やリラックス効果をもたらします。休憩エリアや集中ブースなどに適しています。

青色
「冷静」や「知的」といった印象を与え、集中力を高める効果が期待できます。長時間の作業や会議が行われる空間に適しています。

橙色・黄色
明るくカジュアルな印象を与え、「あたたかさ」や「元気」などポジティブな印象をもたらします。日が差しにくいスペースやエントランスに取り入れると、空間が明るく感じられます。

紫色
高級感や創造性を連想させる色です。また、集中力を高め、落ち着いた印象を与えるため、静かな執務スペースや休憩・仮眠室に適しています。

まとめ
内装やオフィス家具を検討する際は、色彩心理を踏まえた空間設計が効果的です。
目的にあったカラーを取り入れることで、働きやすさと生産性向上を実現するオフィスをつくることができます。
次回のコラムでは、オフィスのエリア別に考えるカラー構築のポイントをご紹介します。
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